2010年04月05日

乙女街道まっしぐら

久しぶりの更新です



すずアリでアリサとなのはのお話です
中学三年の春の出来事
一応最後に他の3人も出てきます


興味のある方は追記からどうぞ





四月。入学。新入生。
桜が咲き乱れ、新しい制服に身を包み新しい生活に心を躍らす時である。



これは、それとは関係ない一人の女の子のお話である。










「・・・・・で、どうしたらいいのかしら?」
「いや、私に聞かれても・・・」




あるひとつの教室に二人の少女がいた。
片方は真剣な顔で、もう片方はやや困惑した顔で対立している。




「これってアリサちゃんんとすずかちゃんの“恋人一年記念日”のことだよね?」










乙女街道まっしぐら






「だってすずかが!」




『ようやく付き合って一年経ったから何かお互いプレゼントを用意しない?』



「・・・・・って言ってくるのよ!」
「それはわかったけど・・・なんで私に聞くのかなーって」
「だってあんたとフェイトはいっつもラブラブじゃない」
「だからアドバイスがほしいと?」
「まあ、そういうこと」



正直な話、これはアリサが贈るものであれば、すずかちゃんはなんでも嬉しいだろう。
が、それはアリサちゃんが許さない。
折角の記念日なのだ、何か“もの”としてプレゼントを贈りたいという気持ちもわかる。


すずかちゃんとしてもようやく、本当にようやく手に入れた“幸せ”なのだから協力してあげたい。
・・・・・・・問題はこのアリサちゃんなのだけど。





「長かったよね」
「何が?」
「ん、ここにくるまでが、ね」
「たったの三階よ?」
「あーそういう意味じゃないの、ただすずかちゃんも頑張ったねっていう意味だから」



それを聞いて意味が分かったのか、アリサはバツの悪そうな顔をした。


「悪かったわね、鈍くて」
「にゃはは、責めてるわけじゃないんだけど」


去年の春すずかはアリサに告白したのだ。
・・・・・・・・・大勢の前で。
本当にするつもりはなかったのだが、アリサがあまりにも鈍すぎて、業を煮やしたすずかが一年生に囲まれているアリサのところへ入り告白したのだ。




「まさか小学生から好きだったとは知らなかったわ」
「私は気づいてたけど、それでもはやてちゃんが一番はやかったかな」
「何を見てそう確信したのかしらね」
「・・・・・今思うと色々アプローチしてたかな?」
「うそっ!?」
「うん、例えば登校するときや下校するときは必ずアリサちゃんの隣だったでしょ」
「あ、確かに」
「お弁当とかも絶対最初にアリサちゃんに声をかけて隣に座ってたよね」
「・・・・・」
「アリサちゃんがなにか話せば真っ先に反応してたし」




はやてがすずかの気持ちに気づいた後、なのはもフェイトも気づき、三人ですずかに協力した。
現実はそう甘くなかった。
何故かというと、アリサは鈍かった。
しかも恋愛に関して奥手だったのだ。
故にすずかが遊びに誘っても、“三人は?”と聞いてくるのだ。
そして去年の四月。色々アプローチしたのに、何も分かってくれず、しまいには新入生に囲まれモテモテだった。



「付き合ってからアリサちゃんは乙女まっしぐらだったね」
「仕方ないでしょ! 付き合うなんて、わかんないじゃない」



もごもごと恥ずかしそうに、いつもの凛々しい雰囲気はなく、ただの“恋する女の子”でしかなかった。
告白した次の日からアリサは王子様からお姫様になっていた。
頬を染めすずかと一緒に笑う姿は可愛らしく、逆にすずかはアリサを当然のようにエスコートをするものだから、王子様のように呼ばれていた。
このことは全校生徒が知っているので、皆微笑ましく見守っていたりすることは二人は知らない。







「どういうのがいいのかしらね?」
「やっぱり本とかかな」
「でも自分のに合わなかったらだめでしょ」
「確かに・・・・・・じゃあ、アクセサリーとか」
「・・・・そうね、一番無難かしらね」
「アリサちゃんはセンスいいからね。あ、でも」
「ん?」
「指輪はなしね」
「ぶっ!」
「ペアリングでもやっぱりすずかちゃんが渡したいだろうし、渡されたいでしょ?」
「な、に言って・・・っ!」
「“彼氏”側はこれぐらいの役目が欲しいと思うの」
「経験談?」
「どうかな?」
「・・・・・・言うようになったじゃない」
「だって相手はフェイトちゃんだもん」
「・・・・・はぁ」






呆れたように溜め息をつくが、顔はまんざらでもない様にみえる。





「変わったね」
「そう、かしら」
「うん。女の子は恋をしたら綺麗になるっていうけど、本当だね」
「何よ、今まではそうじゃないって?」
「え、あ、いやそういうわけじゃなくって!」
「冗談よ・・・・・でも、うん、自分でも変わってるっていうのは何となく、わかるから」
「そっか。うん、幸せそうだね」




本当に幸せそうだった。
すずかちゃんが大勢の前で告白したときは焦ったけどアリサちゃんは逃げることなく、真っ赤になりながら返事してたんだもんね。
でもまだまだ障害は多いから大変だろうけど。
私は応援するよ。
アリサちゃん、すずかちゃん。



だから




「しっかり掴んでおかないとね」
「え、何が?」
「気にしないで。・・・あ、お姉ちゃんが可愛いお店見つけたって言ってたから、そこにいってみる?」
「へー、美由紀さんが? 楽しみね!」
 





まだまだ可愛い一面を見せるアリサちゃんを思うと、すずかちゃんが羨ましくなってきたのは内緒である。





























「いやーホンマ乙女やね」
「うん。でもなのはも負けてないよ」
「はいはい。でも、なのはちゃんは恥じらいがちょぉ薄くなってるから、アリサちゃんのような初々しさがあらへんねんな」
「いや、なのははベッ「そんなんはええから」・・・はい」
「さっきからすずかちゃんどないしたん?
「・・・・・・・・そろそろ」
「ん?」
「次のステップにいってもいいかな?」
「次のステップって・・・まさか」
「うん。夜の「ああー! ちょいまち!」・・・何かな、はやてちゃん」
「いや、よー考えてみ! 一年経っても、まだ! キスしかしてへんのにいきなりそれはアカンやろ」
「一年経ってるのに・・・」
「アリサちゃんやで、相手は」
「う・・・」
「すずか、焦ったら嫌われるかもしれないよ」
「それは、・・・嫌だな」
「せやで、焦ったらアカンよ。片想いを五年もしてんから、これぐらいどうってことないやろ!」
「・・・はやてフォローになってないよ」
「ありがとう、うん、頑張って我慢するね」
「辛いと思うけど、今はすずかちゃんのために頑張ってプレゼントを選ぶ姿で我慢しとき」
「うん、しっかり目に焼き付けておくよ」
「私も」
「いや、フェイトちゃんは関係あらへんやろ」









と、こういう会話を教室の外でしているとは中の二人は知る由もなかった。













終わり


posted by 団子 | Comment(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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