2009年09月28日

パンドラの箱

うーん、難しい
三角関係?は難しいのー




三人だと動かしづらいわー


がんばる



では、読みたい方だけどうぞ




まただ。
気のせいかな?
いつもより近い気がする。



でも、それは気のせいなんかじゃなかった。








「そんでな、その時のシグナムの顔がな・・・」
「へー、何か以外ね」
「ヴィータちゃんも全然だめなんだよね?」
「せや。辛いもんはあかんねん」




放課後の教室に私とアリサちゃんとはやてちゃんが残っていた。
なのはちゃんとフェイトちゃんはあっちの世界の仕事が残っているみたいで先に帰っていったけど、はやてちゃんは無いみたい。
別に帰ってもいいんだけど、喋っていたら何だか動く時間も勿体無くてずっと教室で喋っていた。




「でも自信作やってんで、あれは」
「そこまで言うなら、あたしにくれたらよかったのに」
「なんやアリサちゃん。辛いもんいけるん?」
「あたしは結構いけるほうよ」
「ちょっと意外やわ」
「そう?」




いつも通りの会話。
いつも通りに喋っておかしいところなんて無いのに、何故だろう。
なんだか、近い。内緒の話をするかのように顔を近づけてる。
アリサちゃんも何だか、目が優しい。いや、アリサちゃんはいつも優しいけど、あれはまるで――。

そこではっとなって考えをやめる。
なにを考えてるんだろう。
勝手に決め付けてはだめ。まだ、まだ分からないじゃないか。



「すずか?」
「すずかちゃん?」
「・・・・・・え?」




アリサちゃんとはやてちゃんがこっちをみて心配そうに見てる。



「さっきから黙り込んでるけど、大丈夫なの?」
「だ、大丈夫だよ! ごめんね、はやてちゃん。せっかく話してくれてるのに・・・」
「そんなん気にせんでええよ。しょーもない話やから。せやけど、ほんまに大丈夫なん?」
「うん、本当に大丈夫だよ」



いけない。いつのまにか深く考えこんでしまってたみたい。
はやてちゃんが久しぶりのお休みで、楽しい時間なのにこんなんじゃだめだ。
心配させちゃ、だめだよ。



「んー、でも心配やから今日はひとまず帰ろか」
「そうね」
「え? で、でも私は大丈夫だよ?」
「まあまあ。自分では気づかん内に結構疲れが溜まってるもんやで? 倒れてからじゃ遅いやろ?」
「それは・・・」
「もー、明日もはやては休みなんだし、話したいことは明日でもいいでしょ?」
「う、うん」
「じゃあ、帰るわよ」



明日もはやてちゃん休みだったんだ。
全然話を聞いてなかった。
でも、帰る仕度をしている2人を見て私も慌てて準備した。
準備が終わり、帰ろうと前の2人を見た。








見なければ良かった。








本当に小さなことだったけれど、私には分かった。
はやてちゃんがアリサちゃんを見て微笑んだ。
アリサちゃんがかばんを持って席を立ち、さらりと髪が流れた時、愛しむように微笑んだのだ。
その光景を焼き付けるように。一挙一動を見逃さないように。
ドアの方へ向かう時のぴんっとした背筋を誇らしげに見つめ嬉しそうに傍へ寄っていく。
そしてアリサちゃんは一瞬はやてちゃんに目を向け、切ないよう苦しいような感じで笑った。
なんで? どうして? “そんな目”で見ているの?








まるで、アリサちゃんとはやてちゃんが“恋”をしているかのように。









「今日の夕飯はなにしよか迷うわ」
「夕飯で思い出したけど、昨日番組でやってた・・・」
「そうなん? ほんなら、今日やってみようかな」
「それ、私も見たよ。美味しそうだったね」
「あたしも見る限りじゃ、好みの味付けだったわ」
「2人が言うんやったら間違いないわな」



自然と話題が夕飯のことになる。
はやてちゃんが振ってくるからもあるけど、この時間帯は大抵お腹が空いて食べ物の話になる。



大丈夫。
いつも通り、いつも通り。
心の中で何回か呟き、“いつも通り”の顔で2人の傍に寄り、アリサちゃんの右に立った。
私の定位置だ。
はやてちゃんが話しかけ、アリサちゃんがそれを広げ、私が相槌をうったり補足したり、この3人の時は大抵こうなる。




「あ!」
「な、なに!?」
「どうしたの?」
「図書館で借りてた本、今日までやったわ」
「それぐらい明日でもいいじゃない」
「せやけど、この本は人気があるから、期限までには絶対返すよう言われてるんよ」
「・・・なら仕方ないわね。早く行ってきなさい、待ってるから」
「ええよ、先に行っといて。すずかちゃんも心配やし」
「私は大丈夫だけど、はやてちゃん1人で帰るほうが心配だよ!」
「私はシグナムにでも迎えに来てもらうから大丈夫やで。せやから、先に帰っといて」
「でも・・・」
「ま、シグナムさんが迎えに来るなら大丈夫でしょ」
「せやせや」
「う、ん。じゃあ、先に帰るね?」
「うん、ほんならまた明日!」
「ばいばい、はやてちゃん」
「気をつけるのよ、はやて」





はやてちゃんが本を返し忘れたから学校の方へ戻っていった。
タイミングがいいからわざとやったんじゃないかと、思ってしまった。
はやてちゃんは、そういうの上手いから。
当然アリサちゃんと2人っきり。こんな事は今までに沢山あった。
昨日はこんなことがあった、家の犬が猫が、新しくできた店にいつ行こうか。
ありきたりな話をして別れて、また明日。
それだけだ、それだけをすれば大丈夫なのだ。





でも、今までとは訳が違う。






気づいた時にはもう――遅かった。










「アリサちゃん」





「すずか?」







振り向き美人ってこういうことを言うのかな。
真っ赤な夕陽を背景に振り向く姿は神々しかった。
瞳は真っ直ぐ私を射抜く。
これだ、この瞳に私は惹かれたんだ。
私だけを見て欲しい。私だけに笑って欲しい。私だけに話しかけて欲しい。










私だけに。
だから。







「好きだよ」









と、言いたかった。







「はやてちゃんと、何かあった?」
「・・・・・・別に何もないわよ」








卑怯だな、私は。
アリサちゃんは嘘がつけないから、すぐ分かる。
今だって目を逸らした。






「アリサちゃんたちに何があったかは知らないけど・・・」
「だから・・・」
「私はアリサちゃんのこと大好きだよ」
「・・・・・・」
「ずっと、アリサちゃんのこと見てたから」






そういうとアリサちゃんの目が見開かれた。







「勿論、はやてちゃんもなのはちゃんもフェイトちゃんも、みんなみんな大好きだよ」






「だから、苦しかったら言って欲しいの。皆他の子のことばっかりで自分のことを忘れてる気がする」
「それはあんたも・・・・」
「私は大丈夫。アリサちゃんが傍にいてくれたら何だってできる。でも、アリサちゃんは皆を纏め上げるのが上手いから責任を感じてると思う。必要以上に。私はそういうのは無理だから、何もできないけど聞くことはできる」









「だからね、アリサちゃん。もし苦しかったり、泣きそうになったら言って欲しいの。私が絶対に傍に行くから」









くしゃりと泣きそうな顔で笑った。
次の瞬間にはいつも通りの勝気な笑みを浮かべていた。








「馬鹿ね」
「え?」
「あんたに何もできないなんて誰も思ってないわよ。それに、あたしはやりがいがある仕事は好きだから、別に負担になってるとは思わないわ。・・・そりゃあ、少ししんどいとは思うけど」





何も無いような顔で当たり前のように言ってのけた。
最後はほんの少しの弱音を吐いた。
すると、何だか顔を紅くしてあー、うー、などと口篭った。
視線もあっちへいったり、こっちへいったり、泳いでいた。






「アリサちゃん?」
「あ、んたがさ・・・色々と、その、フォローしてくれるからできてるんだからね」
「ぇ・・・え?」
「だーかーらー! あたしだけだったら無理なものをあんたが・・・いてくれたからできたのよ」
「でも、本当に私は・・・」







「傍にいてくれるだけで助かるのよ」







息を呑んだ。
どういう意味なんだろうか。
そういう意味なんだろうか。
顔が熱い。真っ赤だろう。身体も震える。








「ア、リサ、ちゃん・・・・・それって」





声が震える。声を出せただけでも奇跡だ。







「わかんないけど、凄く安心できるのよ」







“わかんない”







聞いた途端すぅっと、身体が冷めた。





そうか、そうだろう。
アリサちゃんは知らない。
この“気持ち”を。
私が持っているのは“そういう気持ち”だということを。
それが“恋”だということを。



なら、知らない方がいいに決まっている。
アリサちゃんは知らなくてもいい。
知ったら苦しむ。そんなのは嫌だ。





「えへへ、そっか」
「何でそんなに嬉しそうなのよ」





私が笑いながら答えるとむっとしたように唇を尖らせた。
私がアリサちゃんのことを笑ってしまったからだろう。




「だって、アリサちゃんに頼られるのって滅多に無いから嬉しくて」
「・・・・・・結構頼ってるんだけど?」
「そうなの? だったらもっと嬉しいな」
「・・・はあ」





呆れたように溜め息を吐いた。
でも、こういうときのは照れ隠しも混じってるから落ち込んだりはしない。
そこで何故かアリサちゃんの白い手が目に映った。
するといつの間にか、








「アリサちゃん、久しぶりに手、繋がない?」
「・・・・・・は?」






こんなことを言っていた。
ああ、無意識にこんな事を言い出すのは駄目かもしれない、そう思いながらもどこかこんな事を言い出した自分に感謝している。
きょとんとした顔でこっちを見て固まっている。
数秒後真っ赤になって怒鳴った。





「な、なに言ってるのよ!」
「何って、手を繋がないって聞いたんだけど?」
「中学生にもなって、手を繋ぐなんて・・・」
「恥ずかしい?」
「・・・当たり前じゃない」
「そっか・・・ごめんね」
「ぅ・・・・・・」






恥ずかしがり屋のアリサちゃんには、厳しいかもしれないけど、アリサちゃんは何だかんだ言ってやってくれる。
今だって、ほら。






「ほ、ほら!」
「・・・・いいの?」
「恥ずかしいんだから、早くしなさい!」
「うん!」





優しい。凄く、嬉しい。
そんなアリサちゃんを私は、苦しめたくない。
だからそっと、誰にも気づかれないように隠そう。





「アリサちゃん、好きだよ」
「・・・・・・そう」
「好き」
「・・・・・・」
「凄く好き」
「・・・・・・・・・」
「だ〜い好き」
「〜〜〜〜〜っ! わかったから、連呼するのはやめなさい!」



首まで真っ赤になって、でも手は繋いだまま。
これからも、こんなお願いをするだろう。
アリサちゃんとの日々を宝箱に入れて、これからもずっとずっと増え続けていく。
今日のこの日だって。
“親友”としての好き。
これも、宝箱の中に入れよう。
私の大切な大切な“誇り”だから。







――そして




最初で最後の告白。

“初恋”としての大好き。

これはパンドラの箱に入れよう――






















あとがき
ふー、書けました。当初より大分違うことを書いちゃいました。
はやアリ←すずっぽいのを目指してたのに・・・。
はやてが最初しかでてない。あ、時間軸としては「太陽と向日葵の」の後です。
すずかのなかではアリサは真っ白で護るべき存在、みたいな?だから好きだと言いません。
・・・言ったけど。
ってか、何気にアリサ→すずかが入ってしまった。


posted by 団子 | Comment(0) | SS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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